大鹿歌舞伎

300年、上映中。明治4年より現在へと受け継がれる大鹿村最大の娯楽

大鹿歌舞伎は300余年前から、大鹿村の各集落の神社の前宮として舞台で演じられ、今日まで伝承されてきました。歴史の変遷の中で、江戸時代から明治時代には、歌舞伎上演の禁令は厳しく、その弾圧をかいくぐりながら、村人の暮らしの大事な核として脈々と受け継がれてきました。

大鹿歌舞伎は昔も今も変わらず、めまぐるしい社会変化の中で生きてきた村の人々の誇りであり、心のよりどころです。

定期公演

5月3日正午 大磧神社(大河原)
10月第3日曜日正午 市場神社(鹿塩)

大自然に抱かれた舞台、古来よりの観劇スタイル

大自然に包まれ、解放された空間の中で、まさに古来の観劇スタイルそのままに、境内にゴザを敷き、ご馳走を食べ、酒を酌み交わしながら芝居を楽しむ。
大きな見得や力のこもった所作が続くと、声援にも思わず力が入ります。
客席がどっと沸き、舞台と客席が一体となり、地芝居の何ともいえない魅力が生まれます。

これが大鹿歌舞伎の魅力です。

大鹿歌舞伎の楽しみ方

1.パンフレットなどで事前確認
定期公演では、芝居のあらすじや役者のプロフィールを紹介したパンフレット等が会場で配布されます。開幕前に目を通して知識を得ておけば、楽しさ倍増。
受付では地元青年団が作った「大鹿歌舞伎を10倍楽しむ豆冊子」(100円)を販売しています。この豆冊子を読めば初観劇のお客さんも歌舞伎に参加している気持ちになって楽しめます。
2.歌舞伎弁当
大鹿歌舞伎は、好きな物を食べてお酒を飲みながら、昔ながらの観劇スタイルで楽しんでいただけます。
予約をすれば地元のお母さん達が手作りしている「歌舞伎弁当」や、昔からハレの日には欠かせなかった木製で取っ手のついた「ろくべん」という入れ物に入ったお弁当を食べることができます。
3.お花(おひねり)大歓迎
懐紙やティッシュペーパーなどに小銭を包んでひねり、芝居が山場を迎えたら舞台に向けて「アンダースロー」で投げ込みましょう。たくさん作って投げればより盛り上がります。「いいぞ」「待ってました」などの掛け声もぜひ一緒に。
4.最後の「手打ち」で盛り上がろう
芝居が終わると、舞台に役者が勢ぞろいして締めの「手打ち」を行います。シャンシャンシャン、オシャシャのシャン」のリズムが大鹿式。太夫の音頭に合わせてご一緒にどうぞ。

地芝居初国立文楽劇場の舞台での上演

大鹿歌舞伎は神社の境内における古来の観劇形態を最も重視していますが、村外からの公演依頼により数々の大舞台でも演じてきました。
平成4年にドイツ、オーストリアの二ヶ国6都市で海外公演を行った他、平成12年には国立文楽劇場(大阪日本橋)の桧舞台を踏み、大鹿村にのみ伝わる演目「六千両後日之文章 重忠館の段」が上演され、地芝居の素朴な魅力で歌舞伎ファンを魅了しました。